VSP探査技術

阪神コンサルタンツのVSP探査メインイメージ

最新システム導入で短期間、低コスト化を実現

阪神コンサルタンツでは、ボーリング孔を利用したVSP探査として、複数の離れた地点で地表発震(P波・S波起震)を行い、受振孔に多連式の孔中地震計を挿入・受振して立体的に反射波・屈折波の測定を実施します。

地震計を地表面に設置する方式とは違い、受震器である地震計を直接ボーリング孔を利用して地中に垂直に並べることで、ピンポイントで、より高精度なデータを得ることができます。重要建築物を建てる際等に最も有効な探査技術です。

当社では最新のシステム導入により、大深度ボーリング孔の探査においても効率よく短期間で調査を行うことが可能です。

■ 使用する孔中地震計について

使用する孔中地震計は、DDS150とDDS250の2種類をボーリング孔内の状況に応じて使い分けています。また、これらの孔中地震計を連結させて最大765mの区間(地震計は15m間隔)のデータを同時に収録することができます。

■ 多連式孔中地震計モデル
孔中地震計 DDS150
多連式孔中地震計DDS150
DD150の孔内保持は
マグネットで孔壁に密着させる。
孔中地震計 DDS250
多連式孔中地震計DDS250
DD250の孔内保持は
クランプアームの開閉で密着させる。

下の写真は、孔中地震計の実物になります。

多連式孔中地震計DDS150/DDS250

■ VSP計測

VSP計測では、ボーリング孔内に固定された孔中地震計DDSシステムが、震源車の発振(S波・P波)を受振します。地震計が捉えた振動はVSP用探鉱機によって記録されます。震源車は順次移動して、停止・発振を繰り返します。必要に応じて地表面にGSRという独立の地震計を設置、同時に記録する事も可能です。

VSP計測の状況図

下図はVSP探査で得られたS波(よこ波)の伝わる速度の分布図です。VSPで得られた記録をトモグラフィーと呼ばれる手法で解析しています。
S波速度分布は構造物の耐震性を検討する際の、最も重要な地盤情報です。

VSP計測により得られたS波速度分布図
VSP計測により得られたS波速度分布図
参考文献
Shin’ichi Ito, Hiroshi Yokota, Takenobu Tanaka, Jirou Nakamura, Hisanori Oominami, Tadayosi Narita , 2013, On the underground structural explorations for the investigation of the local amplification of seismic waves in a nuclear power plant site., The 11th SEGJ International Symposium 2013 Yokohama.