橋梁設計技術
神戸新交通CFTガーダー橋(平成16年土木学会田中賞)
橋梁 - 高い防災機能と景観設計 -
橋梁は、川を渡り道をつなぐだけのものではありません。山口県岩国市の錦帯橋から、大阪の大川に架かる銀橋、そして明石海峡大橋に至るまで、橋はその時代の文化や技術を語り、人々の交流の場としても存在しています。
阪神コンサルタンツは「鋼橋の設計」「鉄筋コンクリート・プレストレスコンクリート橋の設計」「橋梁点検調査・補修・補強設計」「橋梁構造物の景観設計」など橋梁に関わる様々な調査・設計に関して長年の経験と高い技術を有しています。我々は技術的側面だけにとどまらず、橋の持つ防災機能など社会的役割や橋が創り出す景観も大切にし、地域や自然の中で橋がどうあるべきかを考えながら、皆様に提案致します。
- 鋼橋の設計
- 鉄筋コンクリート・プレストレスコンクリート橋の設計
- 橋梁点検調査・補修・補強設計
- 橋梁構造物の景観設計
橋梁設計
橋梁は道路・鉄道・水路などが障害物などの上空を通過するために空間に架けられた構造物で、その形式や材料は大きくバラエティに富んでいます。そのデザインは周辺の景観環境に大きな影響を及ぼします。また橋梁は道路網のリンクの結節点になることが多く、防災上極めて重要な構造物です。
次に挙げるのは、来るべき南海・東南海地震やスーパー台風の脅威にさらされている紀伊半島の災害に備える防災アンカールートとして整備中の「五條新宮道路」にある3つの橋梁の事例です。
■ 橋梁設計 事例1 - 天ノ川大橋(L=162m) -
▲写真をクリックすると拡大します。
国道168号線の辻堂バイパスは過去たびたび斜面の大崩壊などの自然災害に見舞われた五条新宮道路の難所にあります。
天ノ川大橋は辻堂バイパスの五条よりにありスパンドレルブレースドアーチ橋という形式の鋼製の橋梁で新宮川上流の深い渓谷に優美な姿で架かっています。
■ 橋梁設計 事例2 - 辻堂新橋(L=83m) -
辻堂新橋は天ノ川大橋と同様辻堂バイパスにあり、そのやや新宮よりに位置しています。上路式2ヒンジコンクリートアーチ橋という形式のプレストレスコンクリート橋でやはり優美なアーチが特徴です。
■ 橋梁設計 事例3 - 七色高架橋(L=2346m) -
七色高架橋は、国道168号に沿った新宮川(十津川)右岸の急峻な斜面に整備された全長2,346mの山岳連続高架橋で、当社は本橋の3号橋の詳細設計を担当しました。下部構造には高強度材料を採用し部材寸法をスリム化することで周辺地形の改変を抑えるとともに、断面寸法の縮小、統一化に伴う施工性、工期短縮など大幅な相乗効果による改善を実現しました。本橋は平成17年度土木学会田中賞の作品賞を受賞致しました。
橋梁点検調査・補修設計
設計・築造されてから、長い年月が経過した橋梁は、地震時の耐力不足が懸念されています。耐震補強設計の必要性は年々高まっています。
橋梁の耐震補強設計は、現在の耐震基準に対応する地震時の構造解析等(ラーメン,アーチなど特殊な形式の橋梁は時刻歴動的解析)により地震時挙動の把握を行います。
地震時挙動を把握後、橋梁の弱点部に対して合理的な耐震補強(部材補強・免震化・制震化・落橋防止etc.)を行い、必要に応じて再度時刻歴動的解析等により耐震補強効果を確認します。
耐震補強設計の前提として橋梁点検、詳細調査も重要です。
- 橋梁の各部分には大きな負荷がかかるため、定期的な点検が必要になります。専用に開発された橋梁点検車を用いて、ひび割れ等、劣化箇所(補強必要箇所)が無いか、目視・打音調査を丹念に行ないます。(図1)
- 鋼製トラス橋の上部の点検調査によって、鋼材接合部のボルトの緩み、腐食などの点検を実施します。(図2)
- 大型橋梁、鋼桁橋の橋桁下部点検は、移動式吊足場を使って行います。(図3)
- コンクリート橋の橋桁からは、補修を前提とした詳細調査時に「コア」を採取して、強度や劣化状況試験のサンプルとします。(図4)
- ▼ 写真は橋梁点検,補修設計の結果,補強された橋梁の実例です。